白浜カイロ・加圧センターの小嶋です。
今回のテーマは
「サルコペニア肥満」電車で終着駅「要介護」に行きたいですか?
です。
重いテーマですが、見ていきましょう。
一般的な生活において、筋肉は20歳をピークに徐々に減り始め、30、40、50代と減っていきます。
よって、運動をする習慣がない人は、筋肉が減り、そのかわり脂肪が増えてきます。
これがサルコペニア肥満です。
ギリシャ語で
- サルコ:筋肉
- ペニア:減少
という意味です。(そのままですね)
通常、肥満というと糖尿病や動脈硬化などの病的疾患のイメージがあり、だいたい見た目が太っている人が健康診断で引っかかります。
しかし、このサルコペニア肥満、タチが悪いのが、見た目がそんなに変わらないということです。
単純に筋肉が痩せて、脂肪が太るので、外側のシルエットの変化はあまり見られません。
そして、歳を重ねるにつれて痩せていくのですが、「歳だから仕方ない」という一言で片付けられてしまいがちです。
そのまま行くと、テーマで上げたように「要介護」行きのレールに乗ってしまいます。
なぜ、要介護のレールかと言うと、レールの種類(病気)は色々あります。
しかし、これといった病気以外では、転倒・骨折 → 寝たきりのリスク高まります。
ちなみに要介護となった人のうち骨折・転倒が原因となったのは10.2%もあります。
ようするに、骨折しやすいのと、筋力不足により代謝が悪く(修復が遅い)なっているので、骨折が治りにくいのと言うことです。
また、サルコペニア肥満だと
- 高血圧のリスク:2.3倍
- 糖尿病の危険因子の値:19倍
というデータもあり、
40代以降の4人に1人がサルコペニア肥満またはその予備軍である。
とも言われています。
では、骨折や、疾患になってから対処するのでは、かしこくないので、次の予防が必要かと思われます。
- ステップ1:炭水化物を減らす(白米、うどん、パスタ、スナック、ケーキなどを控える)
- ステップ2:速筋(そっきん)を鍛える
ステップ1は、いわゆる糖質制限です。
脳は糖しかエネルギーに出来ません。
しかし、ボディー(簡単に言うと首から下)は糖質以外(タンパク質など)もエネルギーにします。
脳は司令塔(ある意味、身体の独裁者)なので、あらゆる思考を使って糖を要求します。
その要求に何も疑問に思わないと、ケーキやお菓子、ラーメン、パスタなどドンドン食べます。
そして脳はエネルギー切れ(糖切れ)を一番恐れているので、
「美味しい!」
「幸せ!」
「嫌な事忘れる!」
などの思考詐欺を投入してきます。
さらに食べ続けると脳は満足しますが、ボディーが耐えきれません。
脂肪に置き換えたり、処理しきれない糖は血管内を難民のようにウロウロ(循環)し続けます。
その糖が血管内にこびりつき出すと、そこが硬くなって動脈硬化を引き起こす可能性があります。
次のステップ2ですが、まず「速筋」って何だ?
って思いますよね。
簡単に話します。
筋肉には機能的に大きく2種類あります。(厳密には3種類ですが、わかりやすくする為に2つに絞ってます)
- 遅筋(ちきん):酸素をエネルギーにする
- 速筋(そっきん):糖をエネルギーにする
何か運動すると
「遅筋」→「速筋」の順で活動します。
最初は酸素をエネルギーにして、「遅筋」が活動します。
「遅筋」は持久力には長けているのですが、パワフルな仕事は出来ません。
サルコペニアでは速筋が減少しやすいと言われています。
つまり、ウォーキングなどの有酸素運動で使う「遅筋」は高齢になっても減りにくいとされています。
しかし、遅筋すら減ってしまうと、すでに終着駅に着いてしまっている状態かも知れません。
従って、ステップ2の「速筋を鍛える」という事は、筋トレをするという事です。
ウォーキングで、速筋を鍛えるには、早歩きで最低30分以上歩く必要があるかと思います。
でも、足は鍛えられるかも知れませんが、腕、腹筋、背筋などの速筋は、やはり筋トレしかないと思われます。
では、あなたが、電車「サルコペニア肥満」に乗っている、もしくは乗りかけているかをチェックしてみましょう!
部屋で裸足になって、靴下を用意してください。
そして、立ったまま靴下を履いてみて下さい。
すんなり履けましたか?
履けなかった人は、すでに「電車」に乗っているかも知れません。
履けなかった人も、すぐに下車出来きるように、次の宿題をやりましょう!
- 障害物が近くにないところに、足を少し開いて立って下さい。
- そのまま目を閉じて、かかとを上げて背伸びを15回繰り返して下さい(かかとは床につけないように)
- 朝と晩の2回を3日間やってみて下さい。
結構ふらつくので周辺には十分気をつけて行って下さいね。
そして、4日後にまた、靴下チェックをしてみて下さい。
どうでしたか?
これは、ほんの1部のチェックでしたが、少しは危機感が出てきましたか?(やれば対応できるんだという感覚ができれば、もっと素晴らしいです)
周りから羨ましがられるスリムな主婦でも安心できませんよ。
運動しないまま歳をとると、筋肉が減り、寝たきりという終着駅に着いてしまう可能性があります。
しかし、実は、終着駅についてからが長いんです。
平均寿命
- 男性:79.55
- 女性:86.30
健康寿命
- 男性:70.42
- 女性:73.62
これは、「厚生労働省平成22年データ」からの抜粋ですが、今はもっと差が開いているかも知れません。
一応説明しますと、平均寿命は命ある寿命です。
健康寿命は人に頼らず通常の生活ができる状態を言います。
単純にデータだけで言うと、74歳の女性が介護が必要になり始め、そのまま介護を受け続け、86歳くらいで生涯を終えるという事になります。
当センターに加圧トレーニングに来ている人は、初めに似たようなチェックをします。(靴下チェックではないですよ)
最初のチェック結果が悪かった人でも、1ヶ月後(4回通って)に再びチェックすると、ほとんどの人が良くなっています。
中高年者と若者の人口比率を見ればわかると思いますが、今の30〜50代の人は年金や、様々な助成金などは、あまり期待しない方がいいかも知れません。
でも、その頃は高齢者も働くことが出来るように国が仕組みを作っていることを期待しましょう。
しかし、そもそも働ける身体あってのものです。
当然、動けない筋力であれば、脳の活性もいいとは思えないので、頭脳ワークも難しいかと思います。
上で書いたチェック(宿題)やってみて、自分を知って下さいね。(立ったまま、靴下を履けない人は黄色信号です)
もう、肥満は見た目だけの問題ではありません。
(※)本文中で、露骨な表現を使いましたが、認識を強く持っていただく為に、あえて使いました。(不愉快な気分になった方はごめんなさい)