カイロプラクティックはポキポキ鳴らす?

よく、カイロプラクティックって、「ポキポキ鳴らすんだとね」と言う質問を受けます。

厳密に言いますと、「ポキポキ鳴る時がある」が正解です。

イメージとしてはカイロプラクティックはポキポキなるという事でいいかと思います。(実際、接骨師や鍼灸師はポキポキ鳴らさないので)

では少しずつ紐解いて行きましょう

どこがポキポキ?

まず、ポキポキ鳴る場所ですが、骨ではありませんよ。

骨が鳴るときは「骨折」です。。。(ポキって)

答えは「関節にある液体(滑液)が鳴っています」という事です。

下の図のように骨と骨とか接続されている箇所を関節と言い、その骨と骨とがバラバラにならないように、セロテープのようなもので貼り付けています。(下の図は血管、神経など細かい部分は省略しています)

そのセロープが「靭帯(じんたい)」です。

セロテープも引っ張ると少し伸びますよね。

靭帯も少しだけ伸びるんです。

でも、あんまり引っ張りすぎると伸びちゃったり、損傷したり、切れたりします。(靭帯断裂(じんたいだんれつ)とか聞いた事はありませんか?)

なお、靭帯は反対方法(変な方向)に曲がらないようにする役目もあります。

関節の水(滑液)

関節は水(滑液)で守られている

そして、骨と骨との間には少し空間があります(この空間が無かったら、骨と骨とが擦れて悲鳴です。。。)

そこの空間には滑液(かつえき)という水分でおおわれている為、骨と骨とかスムーズに曲がります。

扉の蝶番(ちょうつがい)の曲がる所の隙間に油があるようなものです

又、この「滑液」が何らかの原因により過剰に増える事を、「水が溜まる」などと言います。

そして、水が増えることで水を包んでいる袋状の骨膜も膨張して周りの神経を刺激し、痛みとなって現われます。

「膝(ひざ)に水が溜まってくるので病院で定期的に抜いてもらっている」という方もいます。

「何らかの原因」を断てば過剰な水は出ず、病院に通わず無駄な出費を抑えられるのですが、「何らかの原因」=「歳だから」と言われてしまった方は何人もいました。

この膝の話は別のところでします。

↓(ここ)

歳だから膝(ひざ)に水がたまる!? 本当!?

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どうして鳴るの?

先ほど、関節にある液体(滑液)が(ポキポキ)鳴るというお話をしました。

まず、「ポキポキ」という音色は置いておいて、鳴るというところから説明します。

通常生活において、関節を曲げたり、伸ばしたりすると、関節内の水(滑液)は曲がる方へ移動したり、また反対側へ流れたりしています。

その時、水の圧力は関節内の場所によって上がったり、下がったりします。

水の中には二酸化炭素のようなガスが溶け込んでいますが、圧力が下がるとガスが気泡となって現われます。

イメージとしては、新品のコーラなど、外側から見るとだたの黒い液体で、泡など見えません。

しかし、中には炭酸ガスが溶け込んでいます。(製品を作る際、圧力をかけて蓋をする為、ガスは潰されている状態で見えません)

その後、蓋を開けると、中の圧力が下がり、溶け込んでいた(潰されていた)炭酸ガスがふくれて泡となって現われます。

これに違い現象が関節内の水で常時起こっています。

関節内(水)の気泡出現

関節内(水)の気泡出現

指などを鳴らす時、指の関節をクッといつもより素早く曲げます(又は、普通よりもう少し奥まで曲げます)。
そうすると、曲げられた反対側へ関節内の水が流れこもうとするのですが、関節内の大きさは決まっている為、圧力が高くなってきます。
水が入っている関節内の壁、水、そして気泡、押された場合一番圧力に弱いのが気泡です。
よって、気泡が破裂し音を発します。

関節内(水)の気泡破裂

関節内(水)の気泡破裂

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なぜポキポキ?

関節内の気泡が破裂して音が鳴るからくりはわかりました。

では、なぜ「ポキポキ」なのか?

「パッアーン」や「パリん」でなく、「ポキポキ」なのか?

人によっては「パキポキ」や「パキパキ」と表現する人もいるかと思いますが、聞き手の表現の仕方なので追及はしません。(日本では犬は「ワンワン」ですが、アメリカでは「バウアウ」だったりするのと同じです)

しかも、関節内の気泡が破裂する程度の音なのに、なぜあんなに鮮明に外に聞こえるでしょう。

これは近くに音を響かせる物があるからです。

それは「骨」です。

骨は硬い棒のようなイメージがありますが、中には空洞があります。(イメージとしては発泡スチロールなんかでいいかも知れません)

空洞があるという事はそこに音が共鳴して大きくなると考えられます。

その骨の共鳴がたまたま「ポキポキ」と表現するに近い音色だったと言えます。

クラッシックギターやグランドピアノなども中に空洞がある為、生の音を響かせる事で大きな音が出せます。(エレキギターのように空洞がない場合、生音は小さいです)

関節の両側にはそれぞれ骨がある為、そこに響いていると思われます。

指の関節を鳴らした場合は、音が1度外に出てから耳に入りますが、首を鳴らした場合は、外から入るより、首の骨を伝わって耳に届く為、かなり大きな音に聞こえます。

皆さんの首の骨を調整した際、びっくりするのは音が間近で聞こえるからです。

結論としては関節を調整した時に、関節内の気泡が破裂した場合、「ポキポキ」という音で聞こえる時があるという事です。

もし、鳴らなかったとしたら、気泡が少ない(関節を動かす頻度が少ない)、もしくは普段から運動して関節の気泡がマメに破裂している、又は自ら意識的(または無意識)で激しく動かし、気泡を破裂させていると思われます。

我々は関節がズレている箇所を調整した結果、鳴るのであって、むやみやたらな関節を鳴らす訳ではありません。

皆さんが自分の関節を触ってみて、ここが少しズレているからという理由で、自分で鳴らすのであればまだしも、癖で鳴らしているのであれば止めた方がよろしいかと思います。(それによって、正常だった関節がズレて、不調になってしまう事も否定は出来ません)

最後に

この世の中は情報社会です。

色々な情報が簡単に手に入ります。

ポキポキ鳴らすカイロはダメで、「当院は患者に優しいポキポキ鳴らさない「ソフトカイロ」をやっています。」だとか。

まあ、自分の目で見て、調べて、説明を聞いて納得すればいいかと思います。

人に良いと薦められても、その治療院が合わなければ続かないでしょうから。

変な情報を鵜呑みにして、勿体無い買い物(変なサプリメントなど)だけはしないようにして下さい。

自分の身体は世界一のサプリメント製造工場なんですから。

(休眠工場の方もいますので、お気軽にご相談下さい)

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